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第二種電気工事士の試験合格を目指すにあたって大体どれくらいの勉強時間が必要なのか気になるところだと思います。第二種電気工事士の合格に必要な時間はおよそ平均300時間程度と言われています。

学力や経験値に応じた合格までに必要な勉強期間は、個人差があるものです。例えばオームの法則をご存知、と言うか覚えていますでしょうか?「昔習ったな」程度の方から「バリバリの理系だから当然今でも理解している」と結構幅があったりします。

社会人になってからしばらく時間が立って使わなくなった公式や計算方法は必然的に忘れてしまうため、電気工事士の試験で必要な数学の基本知識を呼び起こすための時間も必要となってきます。平均300時間と言う数字が必ずしもあなたの能力にぴったりマッチしたものにならないかもしれません。

本記事では、そういった勉強時間のバラツキを解消するべく、現時点の学力や知識を踏まえて、第二種電気工事士の試験対策に必要な勉強時間と勉強開始時期を論理的(主に独断と偏見w)に解説していきたいと思いますので、一緒に見ていきましょう!

第二種電気工事士の勉強時間計算方法の概略

第二種電気工事士の試験は、筆記と実技に別れておりそれぞれ勉強時間を考えてやる必要があります。以下のような計算式でおおよその目安を割り出すことが出来ます。

◆勉強時間の計算方法
①筆記試験に必要な勉強時間の基準 ✕ ③-1 個人の能力係数
②実技試験に必要な勉強時間の基準 ✕ ③-2 個人の能力係数
上記2つの合計がトータル必要な勉強時間

③個人の能力の係数についての詳細は後述しますが、「とっても数学が苦手!」という方は ③-1の値が 1.8 になります。「実技が得意だ!」と言う場合は ③-2の値が 0.8 になります。個人の能力の係数とは、あなたの能力による重み付けになります。そして、最後に以下の計算をすると・・・トータル必要な日数を割り出すことが出来ます。

✓要チェックポイント!
トータル必要な勉強時間 ÷ ④1日に勉強出来る時間 = かかる日数
ここからは、①~④迄の内容を1つ1つ詳細に見ていきましょう。

①筆記試験に必要な勉強時間の基準

一体何をとっかかりにして自分に必要な勉強時間を割り出せばよいのでしょうか?それには、通信講座のカリキュラムや市販の参考書のページ数がヒントになります。

通信講座の筆記試験対策カリキュラム

メジャーな通信講座はおおよそ以下のカリキュラムで進んで行き、約3ヶ月で完了する形です。1日2時間程度の学習時間を想定しているものが多いので、3ヶ月 × 30日 × 2時間 = 180時間程度で筆記試験の学習が一通り完了する計算となります。具体的なカリキュラムは以下のとおりです。

◆通信講座のカリキュラム表
1ヶ月目
計算問題が主体の学習内容
・電気理論
・配電理論・設計
2ヶ月目の学習
暗記が主体の学習内容
・電気機器/配線、材料、工具
・電気工事の施工法
・一般用電気工作物の検査方法
・一般用電気工作物の保安・法令
3ヶ月目の学習
実技試験を見越した学習
・実技試験を見越した学習内容
・配線図記号の暗記、材料の鑑別等の学習
・単線図から複線図への変換方法や書き方

参考書の筆記試験対策のページ数

メジャーな参考書の筆記試験対策は、200ページ~程度のボリュームとなっています。学習内容の構成は通信講座とほぼ同じです。内容の薄いページや濃いページもあるものの、大体1ページ当たり1時間程度を要すると考えます。

かなり時間をかけているように思えますね。しかし、この1時間は参考書を単にナナメ読むわけではなく、きっちりと理解して次に進むために要する時間となりますから、割と妥当なラインであると思われます。

200ページ/1時間 = 200時間 なので、1日2時間勉強すると・・・200 ÷ 2 = 100日 すなわち 約3ヶ月強と言う計算になり、通信講座のカリキュラムに比較的近い値を求めることが出来ます。

通信講座と参考書のページ数を根拠にして、勉強時間はおおよそ180~200時間必要という目安が出ましたので、安全マージンを取って筆記試験に要する勉強時間は200時間としましょう。

この200という時間は、ごくごく平均的な数学の知識を持っている方が要する勉強時間の目安と考えることが出来ます。なぜなら、通信講座や参考書を制作している出版社は、より多くの人々にマッチするようなカリキュラムや参考書のページ数の構成にしているからです。

✓要チェックポイント!
①筆記試験の勉強時間は200時間が基準!

②実技試験に必要な勉強時間の基準

次は実技試験にかかる時間を計算してみましょう。第二種電気工事士の実技試験では実際に出題される課題が事前に公表され、その数13です。この13課題を何回繰り返して慣れるかを基準にしますが、管理人のオススメは最低3回と考えます。

実技試験の対策その1!単線図を複線図に書き換える作業の学習時間

配線の組み立ての練習をする前に、まずは13課題の単線図を複線図に書き換える学習をします。以下に一例を示しておきます。

単線図複線図
単線図複線図

このように単線で示された図面を複線図に書き換えしてから、組み立て作業を行います。この複線図の書き換えは、5分以内に終える必要があります。実技試験の制限時間は40分ありますが、配線図への書き換えに手こずっているようでは、到底組み立てが間に合わないからです。以下の想定では段々と慣れてきて時間が短縮できるものと想定して時間を記載しています。

◆単線図から複線図への書き換えの学習時間の目安
1回目13課題 × (15分 + 確認10分)= 325分
2回目13課題 × (10分 + 確認 5分)= 195分
3回目13課題 × ( 5分 + 確認 5分)= 130分
3回分の総合計
325 + 195 + 130 = 650分
 約11時間 

実技試験の対策その2!配線の組立作業の学習時間

先ほどの複線図の書き換えの学習を実施している事で時間が短縮できる想定で記載していきます。組立作業は、本番と全く同じ手順ですすめる形で練習します。支給材料の準備や後片付けは試験内容にもちろん含まれていませんが、「作業しっぱなしの散らかしっぱなし!」というわけにはいかないので・・・その時間も計算に入れています。

◆配線の組立作業の学習時間の目安
1回目支給材料の事前準備 5分
複線図への書き換え 5分
配線作業60分
完成品の確認10分
後片付け 5分
小計85分
13課題の合計 85分 ✕ 131105分
2回目支給材料の事前準備5分
複線図への書き換え5分
配線作業40分
完成品の確認10分
後片付け 5分
小計65分
13課題の合計 65分 ✕ 13845分
3回目支給材料の事前準備5分
複線図への書き換え5分
配線作業30分
完成品の確認 5分
後片付け5分
小計50分
13課題の合計 50分 ✕ 13650分
3回分の総合計
1105 + 845 + 650 = 2600分
 約43時間 

まとめると、「複線図への書き換えで 11時間」 + 「13課題の配線作業3回で 43時間 」= 54時間となります。

✓要チェックポイント!
②実技試験に必要な勉強時間は54時間が基準!
通信講座の場合、実技試験習得を1ヶ月で完了させるようなカリキュラムが組まれており、多くはDVDやオンライン動画を見ながら、自分で実際に作ってみる学習方法となります。

対して参考書は・・・動画もなければ、支給材料もなく自分で揃える必要もありますから、実技試験の対策は大変やりづらいと考えてもらったほうが良いです。実技試験対策としては、通信講座が圧倒的に優れているといえます。

③個人の能力係数の考え方

初めに解説したとおり、③は個人の能力に応じた重み付けになります。パターンを以下のようにまとめてみました。あなたはどのパターンに当てはまりましたか?係数は筆記試験と実技試験の2パターンの重み付けがあり、後々の計算に使いますので結果を覚えておいて下さいね。

③-1 筆記試験にかかる個人の能力係数パターン表
出身学科等数学の習熟度③-1の係数
文系苦手1.8倍
文系普通1.4倍
理系・高校電気科以外普通以上1.2倍
理系・高校電気科卒普通以上1.0倍
理系・大学電気科卒普通以上0.8倍
理系・電気設備の仕事普通以上0.7倍
③-2 実技試験にかかる個人の能力係数パターン表
出身学科電気工作の経験③-2の係数
文系未経験1.8倍
理系・高校電気科以外未経験1.2倍
理系・高校電気科卒経験アリ1.0倍
理系・大学電気科卒経験アリ0.8倍
理系・電気設備の仕事経験アリ0.6倍

合格する確率をもっと上げたい方への提案

さらに安全志向の方や、不安のある方はこの係数を加算して考えるとよいでしょう、以下の例のとおりです。表では実技より筆記の係数を多めに見積もっています。電気工事の試験を受けようという方は、少なからず電気のことに興味があって、工作が好きだったり、モノを作るセンスをお持ちだと考えています。

◆個人の能力係数の加算例
<筆記>数学がとても苦手な場合さらに係数を+0.5倍
<筆記>暗記がとても苦手な場合さらに係数を+0.4倍
<実技>手先がとても不器用な場合さらに係数を+0.3倍

どちらかと言うと「手を動かすのはイイけど、勉強や数学がほんと全くダメ!」という方が多いと想定してこのような係数としています。

④1日に勉強できる時間

ここまでであなたに必要な勉強時間と技術習得に必要な勉強時間を割り出すことが出来ました。最後に1日にどの程度の勉強時間を捻出できるかを計算して行きますが、平日忙しいサラリーマンであれば、休日も無理のない範囲で勉強することが合格への近道となります。

◆平日(月~金)1日あたりの勉強時間
通勤電車の中(往復) 1時間
帰宅後嫁子供が寝静まってから・・・ 2時間
平日合計 3時間 ✕ 5日間15時間
◆休日(土日)1日あたりの勉強時間
家族サービスの合間に1時間
嫁子供が寝静まってから・・・3時間
休日合計 4時間 ✕ 2日間8時間
◆1週間の勉強時間合計
15時間(月~金)+ 8時間(土~日)23時間

なお、現実的には残業や付き合いで飲みに行ったりするケースもあると思いますから、リスクを考えて平日帰宅後の1日分の勉強時間(2時間)をゼロとして計算してみます。

◆リスクを考慮した1週間の勉強時間合計
13時間(月~金)+ 8時間(土~日)21時間

これで1日あたりの平均勉強時間が計算できます。

✓要チェックポイント!
④1日に勉強できる時間は21時間÷7日=3時間は確保しよう!

筆記と実技に必要な勉強時間の計算

ここまでで、第二種電気工事に必要な勉強日数を計算する段取りが整いました。では思い出してみましょう、筆記と実技に必要な時間の基準は以下の通りでしたね。

◆筆記と実技の勉強時間の基準(おさらい)
①筆記試験に必要な勉強時間の基準200時間
②実技試験に必要な勉強時間の基準 54時間

上記の値に先ほど見てもらった「③個人の能力係数」を掛け算して「④1日で勉強できる時間」で割ってやると・・・筆記試験と実技試験、それぞれの勉強に必要な日数(月数)が計算できます。

◆係数別 筆記試験に必要な日数・月数一覧
① ✕ ③-1係数 ÷ ④1日の勉強時間 = 必要な日数必要な月数
200時間 ✕ 1.8倍 ÷ 3時間 = 120日4.0ヶ月
200時間 ✕ 1.4倍 ÷ 3時間 =  93日3.1ヶ月
200時間 ✕ 1.2倍 ÷ 3時間 =  80日2.6ヶ月
200時間 ✕ 1.0倍 ÷ 3時間 =  67日2.2ヶ月
200時間 ✕ 0.8倍 ÷ 3時間 =  53日1.8ヶ月
200時間 ✕ 0.7倍 ÷ 3時間 =  47日1.6ヶ月
◆係数別 実技試験に必要な日数・月数一覧
② ✕ ③-2係数 ÷ ④1日の勉強時間 = 必要な日数必要な月数
54時間 ✕ 1.8倍 ÷ 3時間 = 32日1.0ヶ月
54時間 ✕ 1.2倍 ÷ 3時間 = 22日0.7ヶ月
54時間 ✕ 1.0倍 ÷ 3時間 = 18日0.6ヶ月
54時間 ✕ 0.8倍 ÷ 3時間 = 14日0.5ヶ月
54時間 ✕ 0.6倍 ÷ 3時間 = 11日0.4ヶ月

飲み込みの早い方であれば、筆記80点~、実技は軽い欠陥が1個出るか出ないか程度まで上達していると思います。しかし、本番は割と緊張しますから本当の実力を発揮するために、過去問をやったり時間がかかっている実技を復習して万全を期する事を管理人はおすすめいたします。

◆万全を期すための最後のひと押し
過去問5年分10時間
苦手な実技5課題5時間
合計15時間

最後にこのひと押しで、合格をグッと手繰り寄せる事が出来るはずです。ここまでお疲れ様でした、やっと必要な勉強時間が見えましたね。以下に試験の日程を記載しておきます、ここからどれくらいから勉強を開始すれば良いのか計画を立てていきます。

◆平成29年版 日程表
項目上期試験下期試験
筆記試験日6月4日(日)9月30日(土)
実技試験日7月22日(土) または 7月23日(日)12月2日(土)

試験日程から逆算した勉強開始時期総まとめ!

どのパターンの方でも実技試験の時間には余裕があるように見えます。筆記が終わってホット一息つきたい気持ちはわかりますが、1週間位にとどめておきましょう。熱が冷めてしまっては元も子もありませんし、筆記が終わったらすぐに取り掛かる感じで工具の扱いに極力なれるように心がけて下さい。

筆記試験の合格発表は、大体1ヶ月程度待たされる形になります。しかし、文系出身で電気工作の経験が無い方は、筆記試験の合否を待ってから実技の勉強を開始しているようでは、まに合わない可能性があります。とっても結果が気になるのはわかりますが、そのような邪念を捨て去る意味でも実技の勉強に没頭しましょう!

出身学科等数学の習熟度電気工作の経験
文系苦手未経験
必要な勉強時間(日数)
筆記試験360時間(120日)実技試験97時間(32日)
勉強開始時期
上期筆記2月上旬開始上期実技6月中旬開始
下期筆記6月上旬開始下期実技10月下旬開始
出身学科等数学の習熟度電気工作の経験
文系普通未経験
必要な勉強時間(日数)
筆記試験280時間(93日)実技試験97時間(32日)
勉強開始時期
上期筆記3月上旬開始上期実技6月中旬開始
下期筆記6月下旬開始下期実技10月下旬開始
出身学科等数学の習熟度電気工作の経験
理系・高校電気科以外普通未経験
必要な勉強時間(日数)
筆記試験240時間(80日)実技試験65時間(22日)
勉強開始時期
上期筆記3月中旬開始上期実技6月下旬開始
下期筆記7月中旬開始下期実技11月上旬開始
出身学科等数学の習熟度電気工作の経験
理系・高校電気科卒普通以上経験アリ
必要な勉強時間(日数)
筆記試験200時間(67日)実技試験54時間(18日)
勉強開始時期
上期筆記3月下旬開始上期実技7月上旬開始
下期筆記7月下旬開始下期実技11月中旬開始
出身学科等数学の習熟度電気工作の経験
理系・大学電気科卒普通以上経験アリ
必要な勉強時間(日数)
筆記試験160時間(53日)実技試験43時間(14日)
勉強開始時期
上期筆記4月上旬開始上期実技7月上旬開始
下期筆記8月上旬開始下期実技11月中旬開始
出身学科等数学の習熟度電気工作の経験
理系・電気設備の仕事普通以上経験アリ
必要な勉強時間(日数)
筆記試験140時間(47日)実技試験32時間(11日)
勉強開始時期
上期筆記4月中旬開始上期実技7月上旬開始
下期筆記8月中旬開始下期実技11月中旬開始

勉強が思ったよりはやく終わってしまったら?


もしも予定しているよりもはやく勉強が終わってしまった場合は、試験までぼーっとするのではなく1日1時間でもいいので問題を解いたり、実技を1課題だけでも練習して下さい。

短期集中で覚えたことは忘れるのも早いのです、復習をして学習内容が飛ばないように維持管理に務める事を忘れないでください。

合格に必要な勉強時間と勉強開始時期まとめ

試験に受かる事ももちろん大切ですが、第二種電気工事士の資格を取得して今後現場で活躍することが、次の目標となりますから「試験だから合格さえすれば良い」と割り切らずに、先を見据えてしっかりと勉強して頭に叩き込んで下さいね、健闘を祈ります!

勉強時間の計算に必要な要素

  • ①筆記試験に必要な勉強時間の基準200時間
  • ②実技試験に必要な勉強時間の基準54時間
  • ③係数0.8~1.8(重み付け)を掛け算して調整する
  • 心配な場合は③の係数を増やしてみる
  • ④勉強時間は1日3時間は確保する
  • 最後のひと押し15時間があると合格率がグッと上がる⤴

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